アプリ道場を受講後、アプリを19本リリースされたesumさんに色々聞いてみた

公開日: : 最終更新日:2016/01/31 iPhoneアプリ開発講座

記事内に広告を含む場合があります。記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

20150414-133528.jpg

アプリクリエイター道場」を卒業後、19本ものアプリをリリースされた@esum1527さんにお話を伺ってみました!

初心者向けのiPhoneアプリ開発講座「アプリクリエイター道場」

Q. まずは簡単に自己紹介をお願いします。

A.お父さん開発者としてアプリを開発しています、esum(@esum1527)です。
アプリ開発と合わせて「アプリクリエイター道場」のキュレータ兼アシスタントとしてiOSアプリ制作を学ぶ講座のお手伝いもしています。

    

Q. 今までに作ったアプリについて教えて下さい

A. これまでにリリースしたアプリは19本です。

1本目が「とれすぽ」という踏切や河川敷、歩道橋など電車がよくみえる場所でいつどの電車が来るかがわかる時刻表アプリ

とれすぽ(TrainSpot) App
カテゴリ: 旅行
価格: ¥360

    

あとは「ふりとれ -新幹線-」というアプリで、表示される駅がどちらの方面かをフリックして選び、駅名とその順番を自然に覚えてしまうゲームです。

ふりとれ -新幹線編- App
カテゴリ: ゲーム
価格: 無料

    

また、この「ふりとれ」はシリーズ化していて、新幹線のほかにも北は北海道の札幌市営地下鉄、南は沖縄のゆいレールまで全国の18路線で遊べるようになっています。

ふりとれ -札幌市営地下鉄- App
カテゴリ: ゲーム
価格: 無料

    

ふりとれ -ゆいレール- App
カテゴリ: ゲーム
価格: 無料

    

Q. アプリ開発を始めることになった or 始めようと思ったキッカケを教えて下さい

A. 幼稚園の息子が電車が好きで、踏切や歩道橋、河川敷などで見ている時に「いつ電車来るの?」と言われた時に困ってしまっていました。ちょうどそのころにiPhone4を使っていて、時刻表や地図アプリを利用してたので、もしかして、これを組み合わせてiPhoneで作れるといいかなぁと思ったことがアプリを作ろうと思ったきっかけです。

    

Q. アプリ開発を始めようと思った当初、プログラミング経験はありましたか?

A. 元々は仕事でプログラムを作っていたのでC言語の経験はありましたが、それはもう20年くらい前の話(笑)。転職もして今は社内SEで運用や企画が中心な仕事なので自分でプログラムを作るということからは10年近く離れていました。

ただ、アプリ開発については何が必要か、言語は何で開発するのかとかはまったくわからない状態でした。

    

Q. アプリを作ろうと決意した後、まずは何から実行しましたか?

A. 何が必要かもわからなかったので、まずはgoogleで情報収集しました。
やり方は独学で進めるか、講座のようなものを受けるか迷ってました。

講座系では検索にはよく「レインボーアップス」が引っかかったのですが、ちょっと高いなぁと躊躇していろいろ探していると、@OZPAさんの「iPhoneアプリクリエイター道場に参加してきた!」というブログ記事が目に留まりました。読んでみるとWebブラウザアプリはコードをチョロチョロっと書くと作れるのかぁと
結構簡単にアプリ作成はできるんじゃないかと考えてしまいました。(笑)

Webブラウザアプリを作りましたことよ![iPhone][app][Xcode]iPhoneアプリクリエイター道場に参加してきた!その3 | OZPAの表4

    

合わせて読んだ@spring_maoさんの「アプリクリエイター道場」で目指す、超企画者への道!も見ると、講義中にも質問にもしっかりと答えてくれるということがわかったので、

「アプリクリエイター道場」で目指す、超企画者への道!:第三回 – Gadget Girl

この2人のブログでアプリクリエイター道場を知り興味を持ちました。そして、事前説明会があるということがわかったのでまずは話を聞いてみようと思い申し込みました。

20150414-110723.jpg

(上の写真は、@spring_maoさんと@OZPAさんがアプリクリエイター道場へ参加された時に撮影したものです)

    

Q. アプリ道場を受けて得られたものは?

A: まず、技術面では、Xcodeの使い方やコードの書き方をベースにアプリをリリースするために必要な知識と調べ方を学ぶことができ、またたくさんの質問にもきちんと回答して頂けたので、卒業後にアプリをリリースすることができました。

それ以上に大きかったのは、アプリ作成以外の知識や、いろんな人との出会い、その人の考え方を知ることで自分の視野が広くなったことでしょうか。例えば、講義ではMac miniを持ってきて受講する方がいてビックリしたり、講義中のメモについても、私はノートに手書きで一生懸命書いていたのですが、周りではEvernoteに書き留めたり、iPhoneを使って写真や動画で記録したりとそんなメモの取り方があるのかぁとか講座で使う本をスキャンしてiPadで参照していて「自炊」ということを知ったりしました。やっている人からすると普通なのかもしれませんが、私のように知らない人にはかなり刺激的でいろんな人のいろんなやり方を見ながら一緒に進めて行くことがよかったです。

20150414-135925.jpg

(編注:上の写真は「アプリ道場 第25期」にて撮影したものです)

    

アプリクリエイター道場を受講、卒業後にアプリをリリースしたのですが、そのアプリリリースをきっかけにこれまでいろいろなことがありました。まず、リリース記念に勢いで申し込んだAppBankさんのアプリプレゼン大会での発表。

東京に iOS アプリ開発者が大集合!!「 iPhone アプリプレゼン大会」を開催しました。 | 毎日17時更新!アプリをおすすめするAppBank

そこで知り合った多くの方やセミナーでゲームを作ってみるのもいいかなと思いそこから「ふりとれ」というゲームアプリをリリース、これまで18本のシリーズ化になっています。その後もゲームアプリの勉強会やイベントに参加して様々なアプリ開発者と知り合いになることもできました。

また、アプリ道場卒業後にもアシスタント、キュレーターとして関わらせていただき、「アプリを作りたい!」と思っている方への支援をさせて頂いています。

20150414-141443.jpg

(編注:上の写真はアプリ道場 第24期にて撮影したものです。iPad片手に参加者からの質問に答えているのがesumさんです)

    

そして、アプリクリエイター道場卒業生の方がリリースしたアプリの発表を行う「アプリ道場 演武会」をアップルストア銀座のシアターで開催することもできました。

アップルストア銀座にて「アプリ道場 演武会」を開催。総勢11名が自作アプリの発表を行いました!

20150414-140355.jpg

(編注:上の写真は、アップルストア銀座にて開催した「アプリ道場 演武会」にて撮影したものです)

    

単にアプリの作り方をだけではなく、普段の仕事では知り合うことのできない、アプリを作ろうと考えているいろいろな職業、年齢、考え方の人とたくさん知り合えることができました。そこで刺激をもらったことがアプリ道場を受講して一番得られたものだと思っています。

単に子供と遊べるアプリ、自慢できるアプリを作ってみたいなぁと思っていたところがスタートだったのですが、アプリクリエイター道場を受講してからここまで自分が変わるとは思ってもいませんでした。

    

Q. プログラミングの勉強を始めた頃に、参考になった技術書やサイトなどがあれば教えて下さい。

A:アプリ開発の勉強を始めたのが2011年ですので情報としては古いですが、「10日でおぼえるiPhoneアプリ開発入門教室」が受講時のテキストでしたのでこれを何度も読み返しました。

    

そこから発展する形で「iPhoneプログラミングUIKit詳解リファレンス」「iPhoneアプリ設計の極意 ―思わずタップしたくなるアプリのデザイン」「詳解 Objective-C 2.0 第3版」を読んで、あとは公式の日本語ドキュメントから気になるものを印刷して電車の中で参照してました。

    

サイトについてはgoogleなどで検索することもありましたが、ちょうどXcode4でStoryBoardが導入された時期で、参考になる情報とならない情報が混ざっていたのと、最初は情報の選別ができなくて参考にしても自分でわかっていないので動かせないことが多かったので、あまり利用しませんでした。

そのかわり、本に書いてあることを一通り試して、そのサンプルを少しずつ修正したり、組み合わせたりしてコードの書き方や読み方、キーワードを理解して勉強しました。

これから始めるかたであれば「Swiftではじめる iPhoneアプリ開発の教科書」をとにかく1冊読んで簡単なところから試してみるのがオススメです。

    

Q. 勉強の時間はどのように確保していましたか?アプリ開発の時間はどのように確保していますか?

A:アプリ開発当初はとある事情でアプリをリリースするまでの期限を決めていました。ですので、期限を守るために他のやることの優先順位を下げてアプリ開発に集中するように環境と時間配分を変え、短い時間でもいいので毎日コツコツやるということを続けようと考えました。

まず、カバンに参考書とMacBook Airを入れて常に行動するようにしました。

そして当時息子が幼稚園年長だったので、帰宅すると遊んでしまったり、家にはテレビ、ゲーム、こたつにみかんなどさまざまな誘惑に負けてしまいそうだったので、毎日、直接家に帰らずにカフェに寄るということにしました。

ただ、カフェで毎日必ず勉強って目標にしまいがちですが、最初からハードルを上げると自分に甘い私はできない理由をつけて続かなくなると思っていたので、勉強のハードルは下げました。

当然疲れていた日もあるので、そんな時でもカフェに行くのですが、参考書を開いてドヤ顔でMacBook Airを開いているけど、ただYouTubeを見て帰るだけとかも何度かありました。(笑)

でも、Macbook Airや参考書を毎日開くということは達成したので、内容はともかく「今日もよくできた」と自分をほめてました。

そうやってやる気を維持しながらも荷物を毎日持ち歩いていると、何もしないで荷物運びだけなのは嫌だなと思い、通勤時にも参考書開こうかなとか、昼休みはたまには同僚とのランチを断ってカフェでMacbook Air開いてコード書いてみよう、作りたいアプリの画面遷移を紙に書いてみようとか少しずつ勉強に費やす時間は増えてきました。

それを1か月くらい続けると自分でもある程度コードを書いて動くものが作れるようになったり実機に入れて試すことができるようになってきて、開発が楽しくなったため自然と開発する時間をとるようになってきました。

コピペや動かない場合に人に修正してもらったりして動くようになると分かった気になっているだけなのでそれを続けると検索でやりたことが見つからかったり、聞く人がそばにいないと自力で解決する力がないのでやめてしまいます。

アプリ開発に限らず始めてやることに関しては何でもそうですが、自分で試行錯誤して想定した結果で動かせる段階まで行ければ楽しくなっていきますね。

    

Q. アプリ開発を始めた頃、困ったこと・分からないことがあったらどうしていましたか?

A. アプリクリエイター道場の受講時は期間が1か月あったので、講義までに自分でやったこと、うまくいかなかったことを整理してとにかく質問しました。異常終了したり、期待通りに動かないというケースで質問すると講師のあきお(@akio0911)さんからは間違っているところを修正して動いたからこれでいいという回答ではなく何が原因で間違いとなっていたかの説明と、問題の確認や解決するためのデバッグのやり方、エラーの見方、他にどんなところを勉強すればよいかを丁寧に教えていただいたのでそのやり方や考え方が問題解決スキルの向上につながりました。

ただ、知らないことについては考えても出てこないのでやりたいことをなるべく具体化、小さい状態にして質問しました。回答もソースそのものではなくマニュアルや書籍の紹介やメソッド名やフレームワーク名など、ネットで調べる場合でも検索のキーワードとなるようなものを教えてもらいそこから調べるようにしていました。

20150414-140817.jpg

(編注:アプリクリエイター道場では、参加者の皆さんからの質問を受け付ける時間を設けています。上の写真はアプリ道場 第25期にて撮影したものです)

    

あとはエラーメッセージを辛抱強く読むことでしょうか。エラーメッセージは基本的に英語ですが、単純に変数が定義されていないとかいうエラーで実は大文字、小文字が間違っていたとか、” を全角で書いてしまったといるとか文字列の前に@を忘れたとか単純なミスを最初のころによくやってしまうので。

また、同じエラーを何度も出しているとエラーメッセージと自分のミスの対応や修正方法が自分の中で確立してくるので、だんだんと問題点の絞り込みができるようになるので英語のメッセージに負けずに苦労するというのも最後には自分の力になりますね。

あと、これは私だけかもしれませんがやりたいことを質問して説明を受けてもよくわからず、自分のスキルレベルが足りないと感じたときはアプリで実現したいことのレベルを下げました。

まだこれにチャレンジしてはいけないから別のUIにするとか別の処理でやってみるとか簡単なものから作ってだんだん難しいものに挑戦するように自分のできることで少しだけ+αになるようにすることもよくありました。

    

Q. 個人で今つくっているアプリ・次に作りたいアプリはありますか?

A. 2015/春ごろまでに何かアプリをリリースする予定です。これまで電車関連のアプリを作っていたので電車から離れて何かツール系のアプリを作ろうかと考えています。とはいえ、ゲーム作りも楽しいですし、新しい技術もどんどん出てくるのでコツコツと続けてこれからも楽しんでアプリ開発をしていくつもりです。

(編注:2015/04/14現在、Apple Watchに対応した「とれすぽ」をアップルへ審査提出済みとのことです。以下はesumさんから送って頂いたスクリーンショットです)

20150414-132553.jpg

    

Q. 最後に、「これからアプリを作ってみたい!」と思っている方にメッセージをお願いします!

A. アプリ開発って簡単そうに見えて実は大変で、見たり聞いたりするものではなくて「泳げるようになる」、「逆上がりができるようになる」といったように試行錯誤して身につけるものだと思っています。

本やネット上の情報でコツや知識を得ることはできますが、できるかどうかはそういった知識だけではなく、とにかく始めて、たくさん作って失敗して身につけていく。そんな世界だと私は考えています。

アプリ開発中は何度も壁にぶつかります。でも、その壁をあきらめずに少しずつ乗り越えて、できるようになると楽しい世界が広がってきます。ぜひ皆さんもアプリ開発にチャレンジして、自分の欲しいアプリを楽しみながら作ってみてください。

    

@akio0911はこう思った。

普通にサラリーマンとして働いていて、お子さんがいらっしゃる方にとっては、esumさんの時間確保のための工夫はとても参考になるのではないでしょうか?

    

他の方へのインタビューを見たい方は、こちらのページからどうぞ!

インタビュー | 卵は世界である

    

今回のインタビューでアプリ開発に興味を持たれた方は、ぜひこちらのページでアプリ開発講座についてチェックしてみてください。

未経験者向けのiPhoneアプリ開発講座「アプリクリエイター道場」

この記事を書いた人
あきお(@akio0911
派手髪iOSエンジニア。Twitterアカウントは@akio0911。YouTubeチャンネル「あきおチャンネル」にてiOSアプリ開発講座を公開中。著書に「iPhoneアプリ開発レシピ」「cocos2d for iPhoneレッスンノート」など。iOSアプリ開発をテーマとしたオンラインサロン「アプリ道場サロン」を運営。東京・大阪にてアプリ開発講座「アプリクリエイター道場」を主催。

関連記事

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Twitterで更新情報をゲット!

PAGE TOP ↑