シニアアプリ開発者蒲池さん(68歳)のその後。Apple Watch発売と同時にアプリをリリースし、今はRealmにチャレンジ中!

公開日: : 最終更新日:2016/03/29 iPhoneアプリ開発講座

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(編注:上の写真は、アプリ講座卒業後のイベント参加時に、初アプリリリースのお祝いとしてアイロンビーズで作ったアプリアイコンを受け取った時の写真です)

    

アプリクリエイター道場を受講後に無事アプリをリリースされた67歳(当時)の蒲池さんに、去年(2014年)9月にインタビューさせて頂きましたが、

67才プログラミングほぼ未経験にしてiPhoneアプリをリリースした方に色々聞いてみた

    

蒲池さんはその後、累計で3本のアプリをリリースされ、そのうち1本のアプリはApple Watch発売当日にApple Watch対応アプリとしてリリースされました。

今回はそのあたりのことも含めてインタビューをさせて頂きました!ちなみにこのインタビューはFacebookメッセージを使って4月頃に行いました。

    

簡単に自己紹介をお願いします

蒲池「僕は、昭和22年生まれの67歳。来月、68歳になります。出身地は知多半島の半農半漁の村です。

一応、本業は経営コンサルタントで、いろんな企業の経営者の悩み相談、事業の再生や強化や、システム関係の内部統制監査や構築指導もしています。まあ、とても固い仕事ですね。

孫が4人いて、一番上の子は今年中学生になって時々僕の目に入ってきますが、痛くありません♪」

    

前回お話しを伺った時は「最近、2作目の単語帳アプリを作り終えたところ」とのことでしたが、その後開発されたアプリはありますか?

蒲池「はい、その後、作ったのは、「歩くぞ」という歩数計アプリです。」

歩くぞ App
カテゴリ: ヘルスケア/フィットネス
価格: 無料

    

蒲池「iPhoneは、自動的に歩数をカウントしています。その歩数を表示するヘルスケアアプリはiOSに標準で搭載されていますが、僕が作った「歩くぞ」はそれをもっとシンプルに、歩いた歩数がどれだけなのか、瞬時に表示させようとしたものです。

それに加えて、年齢、体重、身長、性別、日常活動のレベル等のデータを入れておくと、歩いた歩数データによる補正を施し、今日の消費エネルギー(カロリー)を教えてくれるようにしました。

もう一つ、今日1日の目標歩数を登録すると、実際に歩いた歩数が目標歩数を超えているかどうかをグラフでわかりやすく表示します。」

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蒲池「iPhone向けのアプリは去年のうちにリリースできたのですが、Apple Watchが出るのがはっきりしたので、それに対応するものを作ろうと今年になってからバージョンアップに挑戦し、つい先ごろアップルからOKが出て、App StoreにはApple Watch対応版が並んでいます。」

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蒲池「Apple Watch対応だけでなく、Today Extension にも対応させました。ですから、いちいちiPhoneでアプリを起動させなくても、iPhoneの画面でウィジェットを出せば、目標歩数と現在歩数が一目でわかります。」

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蒲池「何歩歩いたかは今日の消費エネルギーの程度を測ることでもあるので、これを僕は「今日食べる量」の参考にしています。つまり、これは、日々の食事の量をどの程度にしたら良いか、ウェイトコントロールを心がけている人向けの、簡便ツールなのです。Today Extension と Apple Watch に対応していますので、思い立った時に「何歩かなあ?」ということが瞬時に分かります。」

    

「歩くぞ」のウィジェット・Apple Watch対応に必要な時間はどのようにして確保されましたか?

蒲池「時間捻出方法!まったく、時間は有限で、ほんとにやりくりに苦労します。

何事においてもそうでしょうけど、特に、iPhoneアプリの勉強ではまとまった時間が必要です。出張もあるし、なかなかまとまった時間がとれず苦労しています。

今回、開発の仲間、若き友人たちと「Apple Watchの発売にあわせて対応アプリを出そう!」と決意表明したのが今年の初めごろでした、それからしばらく時間がなくて大変でした。でも、したいことがはっきりしているので、そのための要素になるようなコードをいろいろと断片的な時間を使って勉強しました。もちろん、同じくアプリクリエイター道場を受講された先輩や、師匠になってもらっているあきお(@akio0911)さんさんに個人的に教えてもらって、一歩一歩やっていきました。」

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(編注:蒲池さんはアプリ講座の他の卒業生と一緒に「Apple Watchアプリを発売と同時にリリースしよう!」という目標を立て、それを目指して作業を進めていきました。写真はアップルストア銀座にて開催した自作アプリの発表会にて撮影したものです。若きアプリ開発仲間とともに、蒲池さんは後列右から2番目に写っています)

アップルストア銀座にて「アプリ道場 演武会」を開催。総勢11名が自作アプリの発表を行いました!

    

蒲池「一般論で僕が時間をどうやって捻出しているかと言いますと、睡眠時間を減らすことしか、今のところ、方法がありません。ですが、アプリ開発は夜やると具合が悪いです。例えば、仕事が終わって11時ごろからちょっと1時間か2時間、といってやり始めたとすると、2時になっても3時になっても終わるという保証はありません。2時頃に終えて床に就いたとしても、頭が冴えてしまって寝付けません。

ですから、できるだけ本業の仕事開始時間を午後にするか、午前であっても10時以降にずらして、朝、3時間くらいのアプリ勉強を確保するようにします。それでも、朝のその時間が毎日取れるというわけにはいきません。

時間が確保できない日はどうするかというと、それは、自分の書いたコードや参照すべきコードを読み返す時間にあてます。そういうことでは、30分くらいの時間であっても、意味はあります。そのためには、3時間かけて勉強した成果としてあるコードが書けたとすると、それを、紙に印刷して持ち歩きます。それを、できるだけ、読み返す。Apple Watch対応版は、そういう繰り返しでした

それと、ここでお話しすることかどうかわかりませんが、アプリ開発は、コードだけではなく、デザインや色についてのセンスが大事なんですね。デザインについては、とても若い美人の先生ができたので、その方から、とても良いヒントをもらいました。一人で考えている時間が大幅に短縮されたと思っています。先達はあらまほしき事なり、です。」

(編注:蒲池さんはデザインに関しては未経験でしたが、今ではSketchなどのツールを使って、自らアプリのアイコンやUIなどのデザインを行われています

Sketch 3 App
カテゴリ: グラフィック&デザイン
価格: ¥11,800

    

「歩くぞ」のウィジェット・Apple Watch対応で苦労した点について教えて下さい

蒲池「歩くぞアプリのウィジェット・Apple Watch対応で苦労した点という質問ですが、いつも、あらゆることに困っているので、何がといわれてもすぐにでません。TodayウイジットやAppleWatchのアプリ作りにかぎらず、いつも困っている・・・・

それが何かというと、恥ずかしいことに、自分の脳みそがぐちゃぐちゃなことです。脳みそが灰色なのは名探偵のポアラですが、僕の脳みそは納豆なんです。ぐちゃぐちゃで、粘っていて、時には味の良いものを発酵させるのですが、プログラムのような、厳密な、論理的な構造を作るのには、どうも、納豆の脳みそではいけないようです。

この社会の、現実のいろんな概念の多くは、精緻そうでそうではありませんね。特に社会科学での概念はそうでして、だから、大昔に語りつくされたことでも、いまだにああじゃこうじゃと言っています。自由とは、正義とは、人とは、神とは、資本とは、デフレとは・・・、はたまた、卑近なことでは、能力とは、営業とは、戦略とは、などなど・・・。で、こういうものを扱ってきたのが僕の60年の人生です。それで、頭脳は完全に納豆になってしまいました。

ところが、プログラムはそうではないのですね。概念が分かっていても、ソースコードが書けねばダメ。ソースコードが書けないということは分かっていないということ。もう、ほんとに恥ずかしくなります。若きプログラマーたちと話をすると、驚愕します。すごい頭脳なんだなあ、こういう人たちはと。

ただ、そんなことを言っているだけではどうしようもないですから、僕は僕なりに頑張るわけですが、時間がかかってしょうがないです。で、時間をかけてどうするかというと、図解することですね。データのやり取りを図に描いて、シナプスの出所と入りどころをはっきりさせる時間はかかりますが、僕には面白いのです。」

    

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蒲池「これは、Apple Watch対応を検討するときにデータのやり取りを理解しようとして書いたノートなんですが、とても面白く思いました。自分の納豆の繊維が、少し鮮明になってきたかなあと思いながら、今日も、時間をねん出しながらやっています。」

    

アプリ開発に関して、いまチャレンジされていることについて教えて下さい

蒲池「すでにリリースしたアプリ(歩くぞアプリ)の改善と、健康関連の測定値を記録しておく日記帳のようなアプリを作ろうとしています。それにはデータベースが必要で、Core Dataでいくかどうか迷ったのですが、Realmという使いやすいデータベースがあると@akio0911さんから教えてもらい、それを使って改善と新作にチャレンジしています。」

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(編注:上のスクリーンショットは、蒲池さんが学習用に作成されたものです。現在、モバイルデータベースRealmとグラフライブラリPNChartの連携にチャレンジ中です)

    

蒲池「しかし、僕のアプリでは、保存しているデータを検索して書き換えることが必要で、そのためには、周辺のことを勉強しなければなりません。やることがどんどん広がって大変です。そういうことをコツコツとやっていかねばならないのですが、時々、自分で、あ、少しだけど進んだなあ、と思うことがあり、それが励みでやっています。」

    

これからアプリ開発にチャレンジしたい方、取り組み始めた方に対してアドバイスをお願いします

蒲池「僕はまだアドバイスできるレベルまでいっていませんが、僕が今もアプリを作ることを楽しんでやっておれるのは、きっと、仲間がいることだとおもうのです。始めてプログラミングをする人が、独学でアプリを完成させるのは、なかなか困難です。自分一人だと、壁にぶち当たってどうしようもなくなる時があります。本当に困った時には解決のヒントが貰える、と思えれば、どれだけ励みになるでしょう。」

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(編注:上の写真は、アプリクリエイター道場卒業生のランチ会にて撮影したものです)

    

蒲池「あ、それと、このアプリ作りは、1時間とか2時間とか、かなりまとまった時間を作る必要があります。うまく時間管理しないといけません。それと、毎日、触れていないと、忘れてしまうこともあります。だから、世の中には一度挑戦して、かなりのところまで行ったのに、ついつい、時間がうまくとれずに、やめてしまった人が大勢いると思います。時間管理術がとても大事ですね。

本業を持ちながら、アプリを開発している、できているというのは、時間管理術を心得ている証だとも思います。僕もそれはちょっとした誇りです。

アプリ作りと縁のない仕事をしている人がアプリ開発を趣味にしているなんて、とても現代的で良いとおもいます。シニア層がもっと参加してくれないかなあといつも思っています。若返りますよ、確実に。

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(編注:つい先日、今まで使ってきたMacBook Air 11インチ 2011年モデルから、最新のMacBook Pro Retina 13インチ 2015年モデルに買い替えたそうです。蒲池さんのアプリ開発はこれから更に加速しそうですね! )

    

@akio0911はこう思った。

プログラミングやアプリ開発に関してまったくの未経験からスタートし、今では累計で3本のアプリをリリースされ、次回作となるアプリでは最近出てきたテクノロジーであるモバイルデータベースRealmに挑戦中。

現時点での経験も年齢も関係ない。やる気さえあれば、諦めずに積み重ねていくことで成果は出るのだと思います。

    

他の方のインタビューはこちらのページで読むことができます。

インタビュー | 卵は世界である

    

今回のインタビューでアプリ開発に興味を持たれた方は、ぜひこちらのページでアプリ開発講座についてチェックしてみてください。

未経験者向けのiPhoneアプリ開発講座「アプリクリエイター道場 東京塾・大阪塾」

    

この記事を書いた人
あきお(@akio0911
派手髪iOSエンジニア。Twitterアカウントは@akio0911。YouTubeチャンネル「あきおチャンネル」にてiOSアプリ開発講座を公開中。著書に「iPhoneアプリ開発レシピ」「cocos2d for iPhoneレッスンノート」など。iOSアプリ開発をテーマとしたオンラインサロン「アプリ道場サロン」を運営。東京・大阪にてアプリ開発講座「アプリクリエイター道場」を主催。

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