【RxSwift】Hot変換オペレータの1つであるshareReplayを使ってみる

公開日: : 最終更新日:2018/07/11 iOSアプリ開発

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20160423-124300.jpg

最近、RxSwiftについて勉強中です。

今回は、Hot変換オペレータの1つであるshareReplayを使ってみたので記事にまとめてみました。

RxSwiftはまだ勉強中なので、どこか間違っている箇所があればご指摘いただけると嬉しいです。 ⇒ https://twitter.com/akio0911

    

UITextFieldの入力をそのまま2つのUILabelに表示する

例として、1つのUITextFieldに入力された文字列を、2つのラベルにそのまま表示するアプリを考えてみましょう。

RxSwiftを使ったコードとしては、以下のようになります。

@IBOutlet weak var textField: UITextField!

@IBOutlet weak var label1: UILabel!
@IBOutlet weak var label2: UILabel!

let disposeBag = DisposeBag()

override func viewDidLoad() {
    super.viewDidLoad()

    textField.rx_text.bindTo(label1.rx_text).addDisposableTo(disposeBag)
    textField.rx_text.bindTo(label2.rx_text).addDisposableTo(disposeBag)
}

これでユーザーがテキストフィールドに文字列を入力すると、ラベルへリアルタイムに反映されるようになります。

ここまでは特に問題ないかなと思います。

    

UITextFieldの入力を加工して、2つのUILabelに表示する

次はそのまま表示せずに簡単な加工を行ってみましょう。

テキストフィールドに入力された文字列の先頭と末尾に*を付加し、それを2つのラベルへリアルタイムに反映させます。

コードは以下のようになります。

let num = textField.rx_text.map{ text -> String in
    print("map \(text)")
    return "*\(text)*"
}

num.bindTo(label1.rx_text).addDisposableTo(disposeBag)
num.bindTo(label2.rx_text).addDisposableTo(disposeBag)

    

さて、このコードを早速実行してみましょう。

map 
map 
map 1
map 1
map 12
map 12

なんと、文字に変更を加えるたび、mapのクロージャー内の処理が2回ずつ実行されてしまっています。

今回の場合だと同じ加工を施した同じ内容を2つのラベルに表示させたいので、mapのクロージャー内の処理は1変更に対して1回だけ実行されればいいのですが・・・。

    

20160423-123905.jpg

なぜこのようなことが起こってしまったのかというと、2つのオブジェクトにbindしsubscribeすると、別々の2本のストリームが生成されてしまうんだそうです。

このような性質を持つものを、Cold Observableと呼ぶようです。

参考 : RxのHotとColdについて – Qiita

今回のような軽い処理であれば大きな問題にはなりませんけど、重い処理だったり、ファイルIOや通信処理などが含まれていたりすると、それらが2回ずつ実行されると困りますよね。

    

shareReplayを使ってみる

ではどうすれば良いのかというと、Coldと呼ぶくらいですから、Hot Observableを使います。

Cold ObservableをHot Observableに変換してくれる「Hot変換オペレータ」というものがあるので、その中の1つである「shareReplay」を使います。

let num = textField.rx_text
    .map{ text -> String in
        print("map \(text)")
        return "*\(text)*"
    }
    .shareReplay(1)

num.bindTo(label1.rx_text).addDisposableTo(disposeBag)
num.bindTo(label2.rx_text).addDisposableTo(disposeBag)

shareReplay(1)は、内部的にはreplay(1).refCountを呼び出してるだけのショートカットなんだそうですが、詳細についてはまた別記事を書こうと思います。

参考 : [RxSwift] shareReplayをちゃんと書いてお行儀良くストリームを購読しよう – Qiita

    

実行結果は以下のようになります。

map 
map 1
map 12
map 123

テキストフィールドへの1変更に対して、mapのクロージャー内の処理が1回ずつ呼ばれています。

    

20160423-123910.jpg

これは、Hot Observerの「ストリームを分岐する性質」によるものだそうです。

    

@akio0911はこう思った。

Cold ObservableとHot Observableの違いが分かっていないと、意図せず無駄な処理が発生してしまいそうなので、ここは注意が必要ですね。

    

    

この記事を書いた人
あきお(@akio0911
派手髪iOSエンジニア。Twitterアカウントは@akio0911。YouTubeチャンネル「あきおチャンネル」にてiOSアプリ開発講座を公開中。著書に「iPhoneアプリ開発レシピ」「cocos2d for iPhoneレッスンノート」など。iOSアプリ開発をテーマとしたオンラインサロン「アプリ道場サロン」を運営。東京・大阪にてアプリ開発講座「アプリクリエイター道場」を主催。

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